賃貸物件を借りるとほぼ必ず火災保険に加入を義務づけられるのですが、○○少額短期保険とかいう聞いたこともない保険会社で戸惑う方もおられると思います。
少額短期保険とは何か?
平成18年から保険業法の改正で新しく出来た業態でその名の通り掛け金が少額で保険期間が短期のもののみを扱う保険の事です。一部ではミニ保険という言い方もあるようです。なお以下は金融庁からの引用に当方で加筆したものになります。(なお関連の無い項目は省略しています)
保険業法上の保険業のうち、一定事業規模の範囲内において、少額かつ短期の保険の引受けのみを行う事業をいいます。少額短期保険業を行う事業者は本部等の所在する財務局で登録を受ける必要がありますが、一定の基準を満たしていないと登録を拒否されます。また、業務内容については、保険契約者等の保護の観点から、事業開始にあたって一定の保証金の供託や、資産運用、保険募集、情報開示などについて各種のルールを遵守することが必要となります。
【資本金等】
資本金:1000万円以上、年間収受保険料 50億円以下
(収受保険料が50億円を超える場合は、保険会社の免許取得が必要)
【保険期間、保険金額の上限】
保険期間 損害保険2年、生命保険・医療保険1年
保険金額 1人の被保険者について、次の区分の範囲内であり、かつ、総額1000万円以下であること。
1人の保険契約者に係る被保険者は100人以下であること。
(一般的な少額短期の)損害保険:1000万円
疾病による重度障害・死亡:300万円
疾病・傷害による入院給付金等:80万円
傷害による重度障害・死亡:600万円
損害保険にしても近年の自由化で外資や他業種の企業も参入しています。他にJAや全労済、生活協同組合などが扱っている「火災共済」と言うのもあります。
参考:各保険の違いの一覧
項目は左から、「保険会社」「少額短期保険業者」「特定保険業者」「根拠法のない共済団体」の順です。
監督官庁
金融庁 金融庁 金融庁 なし
設立時の免許制度
免許制 登録制 なし なし
商品審査制度
あり あり なし なし
責任準備金制度
あり あり なし なし
資産運用規制
あり あり なし なし
ディスクロージャー制度
あり あり 一部あり なし
公的セーフティネット
あり なし(*) なし なし
*:保証金の供託制度(事業規模に応じて上乗せ)あり。
募集人登録制度
あり あり なし なし
重要事項説明義務
あり あり あり なし
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