席を譲ろうとしたけど
普段から公共機関を乗る機会が少ないですが、乗る時にはどうしても座りたいと思ってしまい、並んで席を取ろうとしてしまいます。しかし、私が席に座っていた時に妊婦さんやお子様連れ、ご年配の方が乗車された場合は、すぐに席をゆずるタイプです。この話はその席を譲った時に起こった出来事です。
昔、実家に帰るためにバスに乗ったときのことです。1名掛けのシートと2名掛けのシートがあるバスで、私は1名掛けの方に座っていました。しばらく乗っていると、ご年配の夫婦が乗ってこられました。バスの中は中途半端に人が乗っており、1名掛けの席は埋まっていて2名掛けシートは一人で堂々と座っている人ばかりという状況でした。ご夫婦は「仕方ない」という風に目を合わせてつり革に手を伸ばして立っている状況でした。
私もすぐに「座ってください!」と席を譲ればよかったのでしょうが、その時は「ご夫婦だからどうしよう」「後ろに詰めて座るかも」など色々と考えてしまい、瞬間的に動くことができませんでした。
信号で止まったタイミングで席をゆずる
そしてバスが出発して、そのご夫婦が立ったままに進んで行きました。私は、なんとなく「それはダメだ」と思い、信号待ちで止まったタイミングで、「どうぞ座ってください」と席を立ちました。私はご夫婦のどちらか、と思ったので、別に奥さんでもご主人でもなく話しかけました。するとご主人が「せっかくだから座ったら?」と奥様に話しかけましたが、奥様は「いいえ、あなたが座ったらどう?」と、席の譲り合いになってしまいました。
私は一度立ち上がった手前、そのまま再度座ることはできないので、どうすることもできずそのやりとりを見るしかない状態です。ご夫婦の声はだんだんと大きくなります。「だから君が譲ってもらったんだから座りなよ。」「いいえ、私は結構なのであなたが座ってください!」私の中で、「余計なことをしてしまったかも」と思ってどうしようかと考えた時です。
バスの運転手さんがそのやりとりに終止符を打ってくれました。「奥様、せっかくなのでご厚意に甘えて座ってください。バスが出発します。」しぶしぶ奥様が席に座りました。そしてバスが出発し、車内が何事もなかったかのような静けさを戻しました。おそらくですが、「お年寄り」扱いをされたことで奥様は恥ずかしかったのかもしれません。
そして私も立った手前、どうすることもできずバツの悪い瞬間を過ごしました。運転手さんが収集してくれたのでよかったですが、そのままの状態なら何が正解か、今だにわかりません。それ以降、席を譲る際にはその人を見て譲るようにしています。
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