偽装請負について
当サイトにも質問がありまして、過去にニュースなどで取り上げられているのでご存知の方もおられると思います。ここでは超簡易的ですが以下解説します。
請負
請負元企業からの依頼を受けて請負元企業の工場や設備の一部を借りて生産などに従事する。直接の作業指示は請負元企業がすべて行う。
生産計画や希望数量などは請負元企業が決めるがそれを請負先に伝えるまでは請負元の権限であるが、生産や人員の配置をどうするかや勤怠管理など人事的なものはすべて請負先が責任を持つ。この場合、請負元のエリアや設備(借用含む)や請負元の従業員なのか請負先の従業員なのか明確にする必要がある。
派遣
正確には「労働者派遣事業(契約)」というようです。派遣を希望する企業が派遣会社に派遣従業員の依頼をする。これをうけて派遣会社は派遣先に従業員を派遣する。
作業指示などは派遣先の従業員やその上司が行う。この場合前述したようなエリアなどの明確化は必要ない。(実務上は同じ制服着用であっても名札やIDカードで容易に見分けがつくようにしているケースが多い)
偽装請負
契約上は「請負」契約だが実態は完全に「ハケン」。請負元の会社の人間なんかどこにいるか不明。または一般作業員と同等の仕事をしている。
作業指示をはじめとしてトラブルの報告、はたまた工程を移籍する場合もすべて派遣先社員やその上司の指示で動かされる。工程内を見渡しても派遣元&派遣先の従業員が入り乱れて作業に当たっている状態です。当然この形態は違法で労働基準監督署のほうも厳しくチェックするようになったせいかこういう形態をとるところは減っていると思います。
何が問題なのか?
例えば何かのトラブル(労災がいい例)があった場合請負元や派遣元と派遣先や請負先の責任関係があいまいになる事があげられます。あとは会社側の都合(請負にしていた方が何かと都合がいい)でしょうか。
近年労働基準監督署もこの問題を問題視しており「偽装請負」は減少傾向にはあります。しかし中小ハケン屋はこの限りではない気がします。実際労災訴訟などにおいても契約上ではなく実務上で派遣なのか請負なのかが判断されるようです。
おことわり
この記事はあくまで一個人の見解であり特定の企業や個人などを批判したりするものではありません。ご了承ください。
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[…] また厳密には「請負」形態と「派遣」形態が形式上ありますが一時期流行った?「偽装請負」というのもあります。本ページではそれらを総称して「ハケン」と記します。ご了承くださ […]