学生を嫌がる大家と住民
大学院時代の話です。大学の少し離れた場所で部屋を借りることになり、いくつかの候補の中から予算的にぴたりと合う部屋がありました。木造の一般的なアパートです。これに申し込んだのですが、業者さんから、大家さんがあまり大学生を入れたがらないので、審査が通るかわからない、と言われました。
大学生は数年で引っ越してしまうので室内清掃や管理が大変、というのが理由のようでした。また、学生が騒いだりして他の入居者からクレームがあったことも原因のようです。ワンルームが少ない地域で、候補がいくらでもあるという状況ではありませんでした。
物件や家賃等の条件は気に入っていたので、何とかお願いしたい、と業者さんに頼みました。家賃は親からの若干の仕送りと奨学金、それにバイト代で支払うので滞納は今までしたことがないし、学部生よりは無理な使用方法がしない、何よりいい物件なので住まわせてほしい、と業者さんから伝えてもらいました。
なんとか部屋は無事借りられたが
業者さんは大変だったと思います。個人経営なので審査といっても大家さんを説得できるかどうかなので、大家さんの胸先三寸で決まってしまいます。後から聞いた話では、相続税対策で建てたそうで、管理会社への要望も細かいそうです。家賃保証の業者などもあるようですが、そこのアパートは個人経営でそういうことはやっていなかったみたいです。
数日後に連絡がきて、結果的には、審査にはパスし、無事入居することができました。その後数年間暮らしましたが、大家さんと顔を合わせることはありませんでした。かなり細かい大家さんと聞いていましたが、大家さんからのクレームみたいなものも特にありませんでした。
今思えば、あれは単なる業者さんのおどしで、大家さんはそんなにこだわってなかったかもしれません。また、本当だったとしても大家さんを説得するよりも私に他の候補へ鞍替えさせてもよかったと思います。不動産業者に勤める友人の話では、学生の場合、親の年収や連帯保証人がしっかりしていれば、学生にだって部屋は貸す、とのことです。
あの頃は年齢も若く経験も浅く、自分の決めた部屋に住みたい一心だったのでとても心配したことを覚えています。審査基準が明確ならば、こちらもそれなりの準備をしたり、最初から候補から外したり、と対策をとることができるのですが、入居審査はなかなかわかりにくい面もあります。業者さんや業界がある程度統一した基準を作ってくれれば、私のような苦労を擦る人が少なくなると思います。
おことわり
この記事はあくまで個人の感想であり特定の業者などを批判するものではありません。また状況が変わっている可能性もあります。お部屋を借りるというのは決して安い買い物ではありませんので最終的な判断はお客様の責任で行っていただきますようお願いします。
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