部屋狭いので引っ越す
30年前に北海道から本州に引っ越して、当時20代だった私はその当時は世の中の景気が良い(いわゆるバブルですかね?)という事も知らないくらいの薄給のまま東京でひとり暮らししていました。その前に住んでいた部屋が狭すぎたので、少し広い所に引っ越そうと思いました。知人・友人に聞くと、「ピアノを教えているおばあさんの家にアパートがある」ということなので、電話を入れてもらってそのうちをたずねました。
そこは東京都O区にある結構大きな一軒家で確かに1階にグランドピアノが置いてあり、出てきた優しそうな女性(70代くらい)は「うちは犬も飼っているし、動物好きなひとには最高のアパートですよ」とおっしゃいます。その一軒家の二階部分に接続する形でアパートが形成されていて、表通りからはよく見えないようになっていたのですが、確かに3世帯のアパートになっていました。
その真ん中が空いているというので見たのですが、広めの6畳間に4畳半くらいのキッチンがついていてトイレは和式でしたが水洗で、なにより窓がそのお宅の中庭に面していて静かなのが気に入りました。お風呂はなかったのですが(30年前なので)、徒歩5分のところに銭湯があり、納得できる物件でした。
害虫多すぎ&爬虫類まで
ところが、自分が北海道の山奥から出たばかりの田舎者なんだなぁ、って思い知る出来事が続出したんですよね。まずそこのうちでは柴犬を飼っていたのですが、どうもその女性が望んで飼っていたわけではなかったみたいで、あんまりよく家になじんでなかったのか、夜鳴きというのでしょうか、よく鳴いていたのですが、想像以上に音響効果があり、手に取るように下の家の音として聞こえてしまったことです。
そして、私が道産子なのが悪いのかもしれませんが、ゴキブリが物凄くでて、当時オリンピックがありました茫然としてしまいました。友人を呼んでどうしたらよいか相談したら「これは大きいね。凄いわ」と認定。当時としてもビッグゴキブリだということで、「1匹いたら100匹いるよ」とのアドバイス。早速「ゴキブリ〇イ〇イ」を購入してアパート内3カ所に設置しました。
それからは、仕事から帰るたびに貧血になりながらゴキブリを確認、泣きながらゴミ袋に入れていました。しかし悲劇はそれだけにはとどまりませんでした。夏も終わりになった蒸し暑い季節にはさらなる恐怖が私を待っていました。
シングルベッドでうちわを使いながら(エアコンがなかったので)、中庭に面した窓を見ていると、なにやら爬虫類系の生き物が窓を斜めに登っていくのがこちらから透けて見えたのです。その生き物はヌルヌルとした跡をつけながら、窓の端まで行き、中に入りそうになったので、思わず窓を閉め切り、暑い中半ば死にながら朝を待ちました。
次の日家主の女性にきくと「ああ、ヤモリというのよ。家を守ってくれるから縁起がいいでしょ」とのこと。あまりにあっけらかんといわれたので、それ以上はなにもいえませんでした。そのアパートはどうも古すぎるからなのか、その後もガマガエルとかドブネズミなどオールスターメンバーとなり、さすがに動物好きな私も、ほどなく次の物件を求めて不動産屋さんをまわることとなりました。
おことわり
この記事はあくまで個人の感想であり特定の個人や業者などを批判するものではありません。また状況が変わっている可能性もあります。お部屋を借りるというのは決して安い買い物ではありませんので最終的な判断はお客様の責任で行っていただきますようお願いします。
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