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腰を痛めて電車で席を譲られる

ぎっくり腰はつらい

現在週に二日ほどパートタイムで働いている主婦です。仕事に出かける時には必ず電車を利用しています。乗車時間はわずかに15分程度なので座れなくても十分我慢できる範囲です。ですがやはり50代にもなってくるとちょっと足腰が弱ってきており、時々膝などが痛くなったりすることもあるので油断はできないと思っています。

そんなある日、出勤前にふとした瞬間、軽いぎっくり腰を起こしてしまいゆっくり歩くしかない状態になってしまいました。それでも仕事に穴を開けるわけにはいかないので、いつもよりも1時間半ぐらい早く自宅を出て亀のようにノロノロと駅へ向かいました。電車は早めに出たこともあり普段利用時よりも明らかにぎゅうぎゅうすし詰め状態でした。

とりあえず腰を庇う為に入り口から離れた車両の端っこの方に立っていました。電車が少し揺れるたびにプチぎっくり腰に電気が走ったように痛みがあり、そのたびに自然に顔を歪めるという感じでした。

チンピラ風の人に席を譲ってもらう

2駅ぐらい過ぎた時に目の前に座っていた茶髪でサングラスをかけた男性が、なんと私に座ってくださいと席を譲ってくれたのです。見た目は本当にこういっちゃなんですが、まさにチンピラ風貌だったので最初ちらっと見た時に、他の場所に移ろうかと思ったぐらいでした。でも腰が痛いのに混雑している車内を移動することもできず仕方なく彼と視線を合わせないようにずっと目をそらしていました。

そんな彼から思いもかけない席を譲ろうとしてくれる親切な言葉を耳にした時に私は本当に人を見た目で判断した自分を心から恥じました。彼はきっと電車が揺れるたびに顔をしかめている私に気づいてとっさに席を譲ってくれたのだと思います。

今回のことで、本当に最近の若い人というのは、自分勝手な人が多いと勝手に思っていましたが、こんな風に思いやりの気持ちをしっかり持っている若者もいるんだなと思ったら世の中、まだまだ捨てたもんじゃないなと本当に嬉しくなりました。その時には、ありがたく座らせてもらいましたがお礼を言おうとしたらさっさとどこかへ行ってしまいました。

自分の親切な行動への照れ隠しだったのかもしれません。おかげでプチぎっくり腰は悪化することなく2日後には、まずまず普通に歩けるようになっていました。この時に会ったあの男性にもう一度会ったら心からお礼を言いたいと思っています。でも時間帯が違うからかあれから2度と同じ電車に乗り合わせることはありません。でもこういう優しい気持ちを持った若者がいるということを知っただけでも私の心はとても暖かくなりました。

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